マルトリートメントの実験室

ランニングと人工知能と神経科学と神社・お寺(とハロプロ)

私は元気です。

最近の精神障害に対する考えのまとめです。

 

精神障害は原因がわからない

 わかりやすさのために「腹痛」と「憂鬱」を比べて説明します。

 

 たとえば、あなたが「お腹が痛む」とします。

 

 お腹が痛いといっても、その原因には様々な可能性がありますね。

 盲腸かもしれないし、食中毒かもしれない。

 昨日食べたものを思い出したりなんかして、原因を探します。

 

 腹痛がひどければ、あなたは病院に行きます。

 医師が診察し、さらには検査をすることで、病気が確定します。

 盲腸なんかは血液検査でわかるみたいですね。

 

 これを踏まえて、うつ病について考えてみましょう。

 あなたが抑うつ状態になった時も、その原因には様々な可能性があります。

 最近落ち込む原因がなかったかな?なんて考えたりします。

 

 そして、抑うつ状態がひどければ精神科に行くことになります。

  精神科では、医師が診察し、検査をして、診断をします。

 たとえば、あなたがうつ病と診断されたとしましょう。

 

 うつ病は、最終的な診断の基準が問診です。

 つまり、「憂鬱であること」がうつ病の診断の根拠です。

 

 これを腹痛で考えれば、

 「あなたはお腹が痛いので、腹痛病です」と言われているようなものです。

 

 どうしてこういう診断になっているかというと、

 うつ病の原因がわかっていないからです。

 

 脳に関連する病気であることはほぼ間違いないですが、

 決定的な原因はわかっていません。

 だから、バイオマーカーではなくて、

 感情をベースとした診断をしているのです。

 

 ということは、原因Aよる憂鬱も原因A'よる憂鬱も、

 全部同じ「うつ病」としてまとめてしまっている可能性もありますね。

 (盲腸も食中毒も結石も胃潰瘍も「腹痛病」でまとめているようなもの。)

 

 

問題を切り分けた

 

 ということで、僕は全ての精神障害について考えるのをやめました。

 

 全ての精神障害について問題意識を持つことは、

 とてもキャパシティのいることであると同時に、

 違う話題を混同しているのかもしれないからです。

 

 僕は「虐待と精神障害の相関関係の高さ」にのみ注目することにしました。 

 

脳科学は大切だけれども、予防することが一番大切

 

www.ted.com

 

 『(虐待などの)辛い状況を幼少期に過ごした人が、

  その後の人生において健康的な影響を受け続ける』

 

 という問題を提起している動画です。

 

 私が紹介してきた友田明美氏の著作にあるように、

 虐待は脳に物理的な変化をもたらします。

 これが、精神障害のリスクや原因になっていると友田明美氏は考えています。

 

www.amazon.co.jp

 

 脳は可塑性を持っているといえども、

 人間の脳を回復させることは容易ではありません。

 

 回復が難しい場合、予防することが大切です。

 

 

 Nadine Burke Harris氏が実践しているように、

 精神障害を公衆衛生の問題として捉えて、

 地域に医療が介入することで虐待リスクの高い家庭を見守ることが、

 もっとも有効でコストのかからない解決策なのではないでしょうか。